風の通り路
2001.1.25  20号

落ち葉のじゅうたん、緑の渕、いくつもの滝
初冬の川俣渓谷

12月6日淵沢ペンション振興会の山歩き、ウォーキング好き仲間11人が集まって、八ヶ岳の川俣渓谷沿いの遊歩道ウォーキングに出かけました。八ヶ岳横断道路にかかる東沢大橋のたもとから渓谷にくだり、後は渓流沿いの遊歩道を吐竜の滝まで約3キロを歩きました。

 天気は快晴! すこし風が強かったのですが、渓谷の中までは吹き込まず、素晴らしい日だまりハイクになりました。

赤い橋を出発
 午前9時、風路前に集合。3台の車に分乗して吐竜の滝へ向かいます。周りの山や木々はすっかり葉を落とし迫る冬に備えています。小海線の甲斐大泉駅の南を清里方面へ向かう小道を進むと、しばらくして吐竜の滝入り口に着きました。道の脇に車が十台ほど停められる駐車スペースがあり、3台のうち2台をここに停めて、残り1台に全員が乗り込み、この渓谷の上流にある東沢大橋へ向かいました。ソフトクリームがおいしくて評判の清里・清泉寮脇を通り、八ヶ岳横断道路へ出て左折、すぐに赤い大きな橋で八ヶ岳の絶好のビューポイントになっている東沢大橋に着きました。大橋のたもとの駐車場に車を停め、さあ! ウォーキング開始です。


階段・梯子をどんどん下る
 橋を渡ったところに渓谷へ降りる標識があり、急な階段と梯子で渓谷へどんどん下って行きます。大橋を渡っているときは八ヶ岳おろしの冷たい風が吹き付けていましたが渓谷へ降りるとそこまで風は届かず、かえって暖かいコースになっていました。階段や梯子をどんどん下っていくと十分足らずで川岸に出ました。道は落ち葉が降り積もっていて歩くたびにカサカサと心地よい音がして、心が和みます。道の脇には所々に岩が剥き出しになっていて、割れ目から湧き出している水が凍りついて幾本ものつららになっています。


変化に富む川岸の道
 川岸の道は回りの木々はすっかり葉を落としていて、川面がキラキラと光って、すこし深くなっている淵のところは水の色が深い緑色になっていて幻想的です。川岸の道に降りてしばらく行くと、魚止の滝と名づけられた滝と呼ぶには??のかわいい小さな滝に出ました。そこからしばらく川面を離れてすこし高台の小道を歩きます。道は大きな岩が板状摂理になっていたり、岩と岩の間に染み出した水が凍って青く光っていたり、全体が苔に覆われた大きな岩があったり、岩の裂け目に根を張った樹木が育って根がちょうど岩を抱きかかえるように育っていたり、目の前の枯れ枝にシジュウカラやヤマガラが飛んできたりで飽きることがありません。

歩き始めてから30分、この川俣渓谷の東側にある清里清泉寮のトレイルコース案内板が立っていて、その先に天狗岩橋が渓流にかかっていました。「一度に5人以上は渡らないでください」と注意書きがある小さな橋でした。
 ここから先は、大小の滝や岩、緩やかになった渓流が脇を流れる広場など川俣渓谷のハイライト部分です。

すこし揺れる鉄製の天狗岩橋を渡ると「乙女の滝」に出ました。あっ!ここは私の出番かな!??? 「乙女の滝」の標識の前ですかさずポーズをとり、写真を撮ってもらったことはいうまでもありません・・・
 さらに進むと黄色い苔で覆われ黄金が輝いているように見えるところから名づけられた黄金の砦。すこし渓流の流れが緩やかになって広場のようになっている蘭庭・行者の滝。

吐竜の滝のすこし手前の広場で楽しいランチタイム。これが目的で参加している人たちがほとんど(?)の面々!たちまちおしゃべりに花が咲いて、お弁当の交換会が始まります。
 
清冽な湧き水吐竜の滝
 ランチが終わってまた歩き出すと、きょうのウォーキングの終点・吐竜の滝も間近です。春から夏、秋にかけて多くの観光客でにぎわう吐竜の滝も今日は私たちだけでひっそりしています。数十mにわたって川岸の崖を落ちてくる沸き水は何時来ても素敵でしばし見とれてしまいます。

 さあ、あとは今朝くるときに車を停めておいた駐車場まで十分ほど歩いて、今日のウォーキングは終わりです、
 おっと! その前に報告しておくことがひとつありました。それは、サルナシの実集めです。

デザートはサルナシ
 ペンションあるびおんのオーナーの進さんがサルナシを見つけ、ツルを揺すると熟れた実がポトンポトンと落ちてきて、歩くのもそっちのけでサルナシの実拾い集団と化して、皆夢中で拾い始めます。このサルナシ、甘酸っぱくてとても美味! それもそのはず、このサルナシ、キゥイフルーツの仲間で味も香りも良く似ているんです。ランチでお腹いっぱいの一行に最高のデザートになりました。

これがサルナシの木です