風路の前の道を右に１００ｍほど行くと左手の牧草地に新しいパターゴルフ場ができました。その角を左に八ヶ岳を正面に見ながら上って行きます。真正面に権現岳、左に網笠山、右に三ツ頭が聳えています。振り返るとカラマツ林の向こうに南アルプスの峰々が横たわっています。甲斐駒ケ岳、鋸岳、鳳凰三山とその稜線の向こうに頭だけ顔を覗かせている北岳が見えます。

山里料理の店・留羽（るう）さんの先を右に入ります。ここから小淵沢カントリーゴルフ場沿いの道を歩きます。このあたりは春、ワラビなどの山菜がたくさんでて、夏から秋はフウロ草や様々な種類のノギクがいっぱい咲いて素敵な草原です。
　草原をぬけるとゴルフ場のフェンス沿いの道になります。周りは赤松やコナラ、ハンノキ、リョウブなどの広葉樹の明るい林で、新緑や紅葉の季節は思わず鼻歌が出てきてしまいそうな道です。とくに秋は松や桜などの樹林の下草のウルシや幹に絡まったツタやツタウルシが他の木々に先駆けて赤く紅葉するので、それが木漏れ日を浴びて、とても鮮やかで、私たちが一番気に入っている森のひとつです。　　　　　　

初春の頃は、厳しい寒さが峠を越え、冬を越えた鳥たちが餌を求める動きが活発になってきて、夏は木々の葉に隠れてなかなか見ることができない小鳥たちに会うことができます。風のない天気のいい日は双眼鏡を首にかけて歩いてみると、そこここに愛くるしいコガラ、シジュウカラ、エナガ、カケスやアカゲラなどが木々の枝から枝へ飛び交っているのを見ることができます。葉の落ちた冬から春、晴れた暖かい日は絶好のバードウォッチング日和です。

ゴルフ場のフェンスが途切れるところは、小淵沢町の南の白州町にあるサントリー白州蒸留所で造られたウィスキーを寝かせておくエージングセラーがあります。大きな倉庫がたくさん立ち並び、風のある日はお酒の芳香が風に乗ってあたり一帯に漂い、良い匂いに酔ってしまいそうです。（この路をペンションＺＯＯＭさんのお客様が「ほろよい小路」と名づけたそうです。）

サントリーの倉庫沿いを10分ほど歩くと、私たちの仲間のペンション田さんとわっ!さんの脇を通って、風路からえほん村へ続く道に出ます。