八ヶ岳・小淵沢 ペンション風路の通信

風の通り路2005.6.30 38号

瑞牆山の展望台 緑に抱かれた魔子山

コースタイム
風路8:30=オオムラサキセンター9:00=瑞牆山荘10:30・歩き始め10:50−魔子山頂11:30(15分)−展望台12:00(昼食30分)−人穴12:40(10分)−瑞牆山荘駐車場2:30
 歩行時間約2時間30分

6月1日
「瑞山の真向かいにある魔子山に登りましょう」
 妖しい名前に惹かれ、誘いに乗っかって行ってきました。
 JR中央線・日野春駅の脇にあるオオムラサキセンターに集合、そこから車に分乗して、登山口の瑞山荘へ向かいました。
 須玉の町から塩川沿いの県道を増富温泉に向かって走ります。途中、瑞湖から増冨温泉までは渓流間際を通っていた険しい道だったのが、新しくトンネルが抜けていたりして、ずいぶん整備された道路になっていました。数軒の温泉旅館が建ち並ぶ街を抜けると渓流沿いの山道といった景色が広がっていきます。
 しばらく走ると金山平の小屋が見えてきました。このあたりで樹林が途切れ、前方に金峰山、瑞山が見えてきます。周りは一面優しい新緑に覆われています。金山平を過ぎると再び樹林の中。ほどなく前方に見覚えのある瑞山荘の建物が見えてきました。
 山荘前には広い駐車スペースがあり、10数台の車が停まっていて、これから金峰、瑞山へ向かおうとしている登山グループがいました。駐車場脇のトイレは山荘の方が掃除をしてくれているそうで比較的きれい。あたりはミズナラ、カラマツ、ナナカマド、山ザクラ、クルミ、ブナやカエデの瑞々しい若芽が差し込んでくる日に光っていて眩しいくらいです。

瑞牆山荘 登る前にストレッチ。 きょうのリーダーMさん。

いきなりの急登、若葉に励まされる
 山荘前からきた道を5分ほど歩くと道路の右手に「魔子の山」の標識が立っていました。辺りは明るい樹林です。足元には実生の幼木が沢山芽吹き、レンゲツツジやミツバツツジの若木が風に揺れています。登山道は初めからかなりの急登で息が上がります。初めの坂を登りきって少し平坦になったところで後を振り返ると木々の間から瑞牆山の特徴のある岩陵が迫っています。これだけ間近に瑞牆山の全容を展望できるところは他に知りません。魔子山は瑞牆山の展望台としてここに存在している、と言えるような山だなぁ・・・と思いました。
 

急登の下からカメラを向けると、余裕の?ラインダンス??

狭い山頂は超満員!
 喘ぎながら急登を上りきったところで尾根道の右側に登っていく道が分かれていて、10分程上るとその先に魔子山の山頂がありました。狭い山頂に魔子山の標識が立っていて、間近に瑞山の岩稜のすべてが展望できました。
 標識を真ん中に瑞山をバックに全員で記念撮影です。狭いのでカメラマンもあまり後にさがれず、撮られる方も前列の人は座るだけでは間に合わず寝そべったり、と一苦労。

 女性と男性に別れ、
ゆったりと?撮影

富士も!八つも!
 山頂から再び登山道に降りてさらに進むと展望歩道の標識があり、瑞山、金峰山・展望台に着きました。ここでランチです。この日は久しぶりにストーブを持ってきたので、お湯を沸かして味噌汁を作って食べました。
 展望台からは、木々の合間から北岳、間ノ岳、甲斐駒ケ岳、仙丈岳などの南アルプスの名峰、はるか南の雲の上には富士山、北側に八ヶ岳、東側に鮮やかなミツバツツジ越しに瑞山、金峰山が迫っていました。
 

 金峰山。写真でははっきりわかりませんが、
五丈岩もよく見えました。

富士山が雲の上に浮かんでいます。

 右に甲斐駒ケ岳。
 左側には北岳。

展望台の奥に行くと八ケ岳!

伝説の穴をのぞく・・・
 展望台からすこし下ったところに「魔子の人穴」という見るからに怪しい洞窟がありました。「全身が針金のような剛毛に覆われ、鳥や獣を食べ村里まで降りてきては家畜を盗み、赤ん坊をさらっていった魔子爺がいた」と言い伝えられ、中から生温かい異臭を帯びた風が吹いてくると言われていますが実は戦国時代の武田氏が掘った金の坑道跡らしいとのこと。木製の柵で入り口は封鎖されていますが、それを潜って覗くと中は人一人がやっと通れるような狭い穴が奥のほうへ続いていました。

渓流沿いの爽やかな道
 このあたりから下りの道になりました。ところどころに本谷釜瀬林道の標識が立っていて、ゴロゴロの岩の道、苔むした道、鬱蒼とした林の下に一面のマイヅルソウの群生した道、カラマツの落ち葉でフカフカになった道をグングン下っていきます。とちゅうから幾筋もの渓流が流れていて、渓流沿いの気持ちの良い山道になっています。ミツバツツジや山ツツジの花が新緑の森にアクセントをつけていて、渓流沿いには気の早いクリンソウが2、3輪、シャクナゲのツボミも大きく膨らんでいました。

 シャラ、リョウブ、ツツジも混じる明るい森の道を歩いていくと最初に歩き始めた瑞山荘の脇に出てきました。
 魔子の山は瑞山荘を起点にぐるっと一周でき、要所要所に立つ「瑞山展望歩道」の標識通り、素晴らしい展望が楽しめました。
 
特にコース全体が明るい樹林の中の道で歩いているとそれだけで身も心も洗われるような清々しい気持ちにさせてくれる山歩きでした。山荘までは車で入れ、全コースで3時間くらいなので、手軽なハイキングに最適と思いました。

 下り道でワラビを発見!
収穫したワラビを手に

 爽やかな道でいくら歩いても疲れません。
ピースサインのV字に並んで見ました?