八ヶ岳・小淵沢 ペンション風路の通信 風の通り路2005.10.5 39号 |
雪辱成る! 編笠山山頂に立つ |
コースタイム 風路7:45=観音平出発8:15−雲海9:15(休憩10分)−押手川10:20(休憩15分)− 編笠山頂12:20(昼食50分)−青年小屋13:45(休憩20分)−押手川15:10(休憩10分) −雲海15:50(休憩10分)−観音平16:55 歩行時間約7時間 |
9月19日 周平が病気してから7年、そろそろ本格的な山登りを始めたいとずっと思っていました。今回意を決して一番近い八ヶ岳の編笠山に出かけることにしました。 実は2年前にも挑戦し、その時は山頂への急登が始まる直前の押手川のちょっと上で引き返してきたのでした。(この山行の顛末は『風の通り路』32号で報告) 前回の教訓から出発時間を1時間ほど早めることにし、周平は「今回は途中撤退は絶対にしないぞ!」 と心に期して前日から気合の入ったお弁当を作っていました。 午前7時45分、家を出て観音平へ向かいます。ちょっと緊張。8時15分、出発! 紅葉にはまだ少し早い樹林の道を登り始めます。さすがに夏の濃く逞しい緑はどことなく色あせてきて、下草も夏の終わりから秋にかけて咲くアキノキリンソウやトリカブトなどの花々が風に揺れていました。コナラ、ミズナラ、リョウブ、カラマツ、シラカバ、ミツバツツジなどの明るい樹林帯の気持ちの良い登山道です。右手には古杣川の深い谷を挟んで権現岳から甲斐小泉に下る長い尾根が横たわっています。 |
観音平に建つグリーンロッジ。 | 編笠山に至る3:30の標識。 | 林の中の道を行きます。 |
アキノキリンソウ | トリカブト | アザミ | ホタルブクロ |
ちょうど1時間で雲海に着きました。ここは東側の展望が開けていて、揺れるススキの銀の穂の間から雲の上に富士山が見えました。10分ほど水分補給などで休憩して、次のポイント・押手川へ向かいました。 |
雲海から先はそれまでの広葉樹が主の明るい樹林の道からだいぶ趣が変わって、シラビソやコメツガなどの針葉樹が主の少し暗い樹林帯に変化していきます。道も落ち葉の積み重なったフカフカの道から苔に覆われた大きな石や岩がゴロゴロした道に変わってきます。ギャーギャーという鳴き声はオナガかカケスでしょうか。 雲海から50分、樹林の中に開けた押手川に着きました。標識には 「標高2100m(中略)。 その昔、ここを訪れた登山者が水を求めて 手で苔を押したところコンコンと清浄冷水が 湧き出したことから押手川と言われた。 観音平から1時間30分、登山者の休息地として 最適である」 と書かれていました。 |
針葉樹の樹林帯。 | 石や岩がゴロゴロ。 | 押手川に到着。 |
樹林抜けると山頂の一角 前回はこの押手川から少し登った地点で挫折、引き返したのですが、今回はそうはいきません。意を新たにして登り始めます。「ここから先が急な登りだったなあ・・・」と小淵沢に来る前に登ったこのルートを思い出します。薄暗い樹林の中をゆっくりゆっくり登っていくと、樹林の木々の背がだんだん低くなって所々に向うの尾根や谷がみえてくるようになります。 さらに長い急登が続きます。しばらく登ると左手の樹林が途切れて、ゴロゴロの岩だらけの斜面が現れました。「もうすぐ、森林限界に出そうだ」と、忘れかけていた記憶が蘇ってきました。振り返ると木々の間から南アルプスの峰々や麓の小淵沢の町が見渡せるようになってきました。ここまでくれば、もう山頂は間近。ハイマツの木々が辺りを覆うようになってきます。 |
途中一箇所ハシゴがありました。 | はるか下にかすむ小淵沢の町。 | 「本当にホントにちょっと!」 |
「もうすぐですよ」下りてくる登山者の言葉に励まされ、やっと樹林を抜けるとそこはもう山頂の一角でした。ゴロゴロの岩を踏んで、「編笠山山頂」の標識に着きました! 「やった!」 |
眼前に迫る権現岳 連休の最後の日とあって山頂は多くの登山グループで賑わっていました。私たちもまず編笠山頂の標識で記念撮影。 |
←霞む車山、下は諏訪湖。 →後は権現岳。 |
正面間近に権現岳が迫り、山頂直下の権現小屋が見えます。東、西ギボシの向うに八ヶ岳の主峰・赤岳。その横には左に中岳、阿弥陀岳、右に横岳と南八ヶ岳の主だった峰々、その手前の下方には西岳。さすが迫力の展望です。これら八ヶ岳の向うには車山、霧ケ峰、その下には諏訪湖がうっすらと霞んでいました。 南側には甲斐駒ケ岳、北岳が雲の間から一部その姿を見せています。東側にはやはり雲の間から茅ケ岳が望めました。雲海から見えた富士山はここでは雲の中でした。 権現岳と向かい合ってランチタイム♪ 気合の入った周平弁当のメニューはエビフライ2、ポテトサラダ、塩サケ、野菜サラダ、卵焼き、海苔ごはん、スイカでした。 |
巨岩の先に青年小屋 山頂でのパノラマを堪能した後、編笠山と権現岳の鞍部に建つ青年小屋へ下る登山道に入りました。このルートを歩くのは初めてです。ここはシャクナゲが多く、花の時期に歩いてみたい気がしました。 山頂から20分ほどで樹林帯を抜け正面に青年小屋とテント場を望むゴーロ帯にでました。巨岩が折り重なりところどころに赤ペンキで丸や矢印が書いてあって、そこが登山道のようです。私があまり得意でない道です。大きな岩につかまりながらへっぴり腰で岩と岩の間を進み、どうにか青年小屋にたどり着きました。清涼飲料と暖かいミルクを頼みホッと一息。 |
樹林帯を抜けたところから見る権現岳と青年小屋。 |
←あのゴロゴロの岩を越えてきました。 ちょっとたいへんでした・・・ →青年小屋から押手川への巻き道途中の標識 |
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←巻き道にもところどころに大きな岩。 →木々の間から望む編笠山頂。 ここからみるとなだらかに見える・・・ |
しばらく休んでから押手川へ向かう巻道に入りました。周りはシラビソやコメツガ、足元は所々に岩や石がある道でしたが、先ほどのゴーロ帯に比べれば何と言うことはありません(強気!)。1時間程歩いて「そろそろ押手川だね」と話していると、見覚えある看板が見えてきました。 これから先はかって知った道なので、楽な気分で下山しました・・・と書きたいところですが、これだけ長時間山道を歩いたのは本当に久しぶりだったので、足が疲れ途中からステッキにすがってヨロヨロ歩く情けない状態でした。 午後4時55分に観音平着。 この後数日、筋肉痛で歩くたびに足がカクカク、まだまだだなあ・・・と達成感と共に少し落ち込んでいる私達です。 |
←もうすぐ押手川 →こちらはもうすぐ観音平です。 汗をぬぐって・・・こまめに水分をとっていたので、最後は持って行った水では足りなくなりそうでした。 |