風の通り路
2002.9.25 27号
往く夏を惜しむ花々
霧が峰高原 蝶々深山

 8月21日 きょうはお盆休みのにぎわいも一段落して、お休みの日。朝、起きると素晴らしくいい天気です。「霧が峰あたりは最高だろうなァ・・・・」そう思うと、いても立ってもいられず「よしっ、僕がお弁当を作る!」の掛け声も勇ましく、厨房に駆け込む周平、デイバックを取り出し、いそいそとパッキングを始める和子。たちどころに出発準備完了。いつも、もたもたの2人ですがこういうことは素早い。

早くも秋の気配 
 午前9時半出発。今年の春から無料になった八ヶ岳公園道路で蓼科方面へ向かいます。八ヶ岳の標高1300mの辺りを通っている公園道路は路の両側が早くも秋の景色になりつつありました。木に絡まっているツタやツタウルシが紅葉し始めています。
 白樺湖畔を抜け、ビーナスラインに入ると車山の広々とした斜面が視界に入ってきます。ここもまた一段と秋色が深まっていて、ススキの銀の穂が風に揺れ、萩の花が草原を飾っています。吹き抜ける風がすこし寒いくらいです。
 ビーナスラインも今年から無料になり、とても使いやすくなりました。車山のスキー場前を過ぎ、草原の道をしばらく進むと白樺湖と霧が峰のほぼ中間にあるコロボックルヒュッテの駐車場に着きました。

コロボックルヒュッテの
裏口(?)です。ホットミ
ルクとクッキーをお腹に
納めてさぁ出発!

花いっぱいでルンルンの道
 夏の名残を惜しむ観光客がたくさん来ていましたが、私たちはロープの張ってある草原の夏道を車山湿原へ下って歩き始めました。
 このあたりは夏のはじめは見渡す限りニッコウキスゲが咲き乱れている丘で、この日はその種がいっぱい風に揺れていました。道の両側にはハクサンフウロ、マツムシソウ、シモツケ、アキノキリンソウ、アザミ、ナヤギランなどの夏の花々がまだ競うように咲いています。
 ビーナスラインから左手に蝶々深山を見ながら草原を下り、車山肩から降りてくる道と合流、そこから蝶々深山への登りです。登りといっても緩やかな斜面で道の両側にはたくさんの花々があって、ルンルン気分で歩きます。
 

夏道を下ります。 シモツケやマツムシソウなど。 蝶々深山の山頂です。

見わたすかぎりの草原、サウンドオブミュージックを口ずさむ
 20分たらずで蝶々深山の山頂到着。山というよりは丘のような所ですが、それでも標高が1830mあり、周囲は360度見渡す限りの草原です。
 南は車山越しに蓼科山、八ヶ岳、そこから西へ巡らすと甲斐駒ケ岳から南アルプスの峰々。さらに西から北へ目を向けると槍や穂高の山並みが雲の上に顔を覗かせています。北側には特徴ある山容を誇る浅間山が横たわっています。遮るものがないので素晴らしい眺望です。その分風が強い日はちょっと長く落ち着いて休憩しづらい難点がありますが・・・。

蝶々深山山頂!
1835m。
やったぞ!
振り返ると
緩やかな道・・

風は寒い
 この日は幸い風がそれほど強くありませんでしたが、吹き抜ける風は涼しいというよりもう寒いくらいでした。朝急いで作ったお弁当を食べました。熱い麦茶がおいしい。
 しばらくすると、中学生の団体らしき一行がやってきて昼食を始めたので、私たちは早々に山頂を後にしました。
 山頂から物見岩を経て八島湿原ほとりに建つ奥霧小屋へ出て(この近くに比較的きれいなトイレがありました)、八島湿原を一周する林道を通って、ジャベルヒュッテからコロボックルヒュッテへ続く登りの道を帰りました。この道もフウロやヤナギラン、マツムシソウなどの夏の花がたくさん残っていて、登りで息あがる私たちを励ましてくれました。
 夏から秋の霧ケ峰は照りつける夏の陽射しも少し緩み、吹き抜ける風が少し冷たいくらい涼しく、まだまだ花もたくさん残っていて、気持ちよい高原ハイクのお勧めのコースと思いました。
 (しかし! 帰ってきて鏡を見ると真っ赤に日焼けしていました。涼しいといっても油断は禁物です!) 

マツムシソウ。 物見岩ゴツゴツした
大きな石がたくさんあ
ります。