風の通り路
2003.6.25 30号
新緑が目に染みる 蓼科棒道八子ヶ峰

 5月7日 蓼科・親湯から女神茶屋〜八子ケ峰のコースは4、5年前に歩いた時の印象がとてもよかったので今回も期待して参加しました。
 実際は登りは今回初めて歩く信州側の信玄の棒道ということで、それもまた楽しみでした。
 集合時間は蓼科の親湯に午前10時。風路を8時30分に出発しました。渓流の先の旅館にかかる橋のたもとに、見慣れた顔の八ヶ岳歩こう会の面々がすでに集まっていました。橋のたもとで簡単なストレッチを行った後、出発です。
 かわいいカラマツの新芽 
 親湯旅館の脇を流れる渓流は嘗め滝のように大きな岩に清流が水しぶきをあげ、その流れを覆うように垂れ下がった木々の新緑が、清流の飛沫を浴びて輝いています。 この渓流にかかった橋を渡るともう林の中の山道です。
 芽吹きの始まった樹林の中を歩いているとそれだけで体中から疲れが取り払われていくようでした。カラマツの新芽は近づいてよーく見ると、ひとつの芽から小さな葉がもにょもにょと顔を覗かせていて、とてもかわいい。思わず微笑んでしまいます。

山桜の下を流れる清流。 橋を渡ってさあ出発! フカフカの山道。

 信州棒道から女神茶屋へ
 樹林の中の気持ちの良い道を歩いてゆくと、少し開けた林道に出ました。戦国武将の武田信玄が信濃攻略に開いたといわれる信玄棒道の信州側のなごりが残る道です。林道をしばらく行くと、蓼科山登山口脇にある女神茶屋に出ました。
 女神茶屋から八子ヶ峰の尾根道に建つヒュッテ・アルビレオまで短いけどすこし急な登りを息を切らせながら歩きます。20分足らずで尾根に出ると、行く先にヒュッテ・アルビレオの三角屋根が見えてきました。

気持ちの良い道! 棒道の看板が建っていました。 これです。
女神茶屋は閉まっていました。 アルビレオの標識。 もう少し!がんばれ!

 目の前に蓼科山
 ここまで来て振り返ると正面に蓼科山がどっしりと迫っています。その右手には北八ヶ岳の峰々が雲の間に連なっています。奥秩父の山々、富士山、南アルプス、北アルプスの峰々は残念ながら雲の中に隠れていました。
 この道をさらに行くと八子ヶ峰を経て白樺湖へ至ります。その途中には軍用馬を停めた休憩馬場跡などがあります。
 ヒュッテ・アルビレオの脇でお昼にしました。どんな天気でもお弁当は楽しい! それぞれが思い思いの場所に敷物を広げてお弁当を広げます。「私の卵焼きと交換ね」「うーん、おいしい!」などなど食べることとおしゃべりには特に熱心な仲間達です。

 ホボガマズミ?
 周りは雲がかかって雨もぱらついてきたので、楽しいランチタイムもそうそうにして帰路につきました。帰りは来た道とは別に尾根伝いに親湯へ下る尾根道を下りました。途中、ガクアジサイのような花をつけた木をめぐって侃侃諤諤の議論。「これはガクアジサイです」「いいや、これはガマズミ」「うーん、たぶんガクアジサイもどき」「いやいや、ほぼガマズミ」・・・終わりのない議論の末、結局帰ってから調べるということに・・。
 その結果、その木はオオカメノキ(ムシカリ)ということで落着。
 またしばらく下ってゆくと前方左手下に小さな池が見えてきました。またも、「あれはなんと言う池?」「白樺湖じゃないよねぇ」「白樺湖は私達が来た方向だから違います。蓼科湖でもないよねぇ」「蓼科湖にしては小さいし方角も違う」「名もない池としておこう」・・・・。またまた帰ってから調べることに。帰って地図を見たら、親湯の上に石臼場池という小さな池がありました。
 
ワイワイおしゃべりしながら一行は、歌人の伊藤左千夫・記念碑経由で親湯へ戻りました。コース全体に芽吹いた木々に包まれて身も心も優しい緑に染まるかのような心躍る山歩きでした。

尾根道を下ります ガマズミではなくムシカリの木だそうです。 伊藤左千夫の碑なんて読むんだろう???