八ヶ岳・小淵沢 ペンション風路の通信

風の通り路2008.12.20 52号


北の名峰・蓼科山 
霧に煙る双子池

コースタイム
  スパティオ小淵沢5:30=大河原峠7:05・出発7:30−将軍平8:45(休憩10分)−山頂9:35(20分)−
  将軍平10:30(休憩5分)−分岐11:50(昼食30分)−亀甲池12:50(10分)−双子池13:40(20分)
  −双子山14:40(5分)−大河原峠15:15 
                    歩行時間約7時間

10月8日
 蓼科方面に車を走らせると雄大な八ケ岳連峰が横たわっているのが見渡せます。その1番北側にお椀を伏せたように聳えているのが蓼科山です。小淵沢でペンションをやろうと決めてから、八ケ岳のかなりのルートは歩いたのですが、この蓼科山へはなぜか行く機会を失していました。
「八ヶ岳歩こう会」の10周年記念事業の「八ヶ岳登山」その5回目がこの蓼科山。第1回目の横岳がちょっとハードだったので、他の回は見合わせていたのですが、今回の蓼科山はいくつもあるルートのうち、一番短時間で登れるルートで行くとのこと。全行程にかかる予定時間も6時間と他の回に比べ短い方です。もともと超スローペースな私と、10年前に大病をして以来本格的な登山から遠ざかっていた周平の2人。皆の足手まといになるかな・・・という不安は感じつつも、思い切って参加させてもらうことにしました。

大河原峠に着く 
 午前5時半、風路から車で5分の「スパティオ小淵沢」集合。まだ暗い中「歩こう会」の山男・山女の面々が30名ほど集まっていました。5台の車に分乗して、白樺湖から女神湖へ向かいました。蓼科スカイラインに入り、グングン高度をあげていきます。小淵沢出発時は雨が残っていましたが、予報通りだんだん空が明るくなってきて、蓼科高原のどこまでも続く深い樹海が見渡せるようになってきました。紅葉まっさかりの谷を見て車内から歓声があがります。
 蓼科スカイラインを3040分走り、午前7時すぎ蓼科山の登山口の大河原峠に着きました。道路脇には十数台は停められる駐車スペースがあります。ここは以前ペンションの仲間を誘って、池めぐりハイキングをしたときの出発点でちょっとなつかしい。この峠に建つ大河原ヒュッテ脇から蓼科山へ向かう登山道が開けています。

きょうのリーダーの話 出発前のストレッチ
 
初めから急登 
 午前7時30分、簡単なストレッチの後、樹林の中の登山道に入りました。登山道は始めからきつい登りです。短時間で登れるということはこういうことか・・・と、納得。ゴロゴロの石と岩の道で石が雨に濡れていて滑り、歩きづらいこと夥しい。深い樹林の中なので展望はそれほどありませんが、時折振り返ると鮮やかな紅葉が目に飛び込んできて、「わーきれい」としばし登りの苦しさを忘れます。所々木々の間から正面にどっしりと聳える蓼科山や北八ヶ岳の峰々が見えます。
 1時間半ほど登っていくと蓼科山頂直下の将軍平に建つ蓼科山荘に着きました。ここで全員集合の記念写真を撮り水分と軽い行動食を摂りました。ここから先は蓼科山頂へ直登する岩が折り重なった登山道です。

急な坂ですが一時休止 雲の向こうに山が見えました 将軍平から山頂が見えます

山頂は岩塊の原
 山頂への最後の登りに入ります。大きな岩の道をよじ登っていくと、だんだん大きな木が少なくなってきて、ゴロゴロの岩ばかりの道に変わってきます。下りに備えて持ってきたダブルストックを登りのときも使っていたのですが、両手で岩をつかむのに邪魔だと見て取ったリーダーの一人、ケンさんが持ってくれました。お世話になります・・・
 やっと蓼科山頂の一画に建つ蓼科山頂ヒュッテに着きました。午前9時35分、山頂に到着。岩の広場のようです。そのほぼ中央に山頂の標識が立っていました。私達が山頂に立ったときにはガスが立ちこめてきて四方の展望は望めませんでしたが時折ガスがさーっと晴れて周りの山々が見えてきます。その瞬間に「あっあれが槍」とか「穂高?」とか言い合いました。晴れていればどこまでも果てしなく続く紅葉に彩られた樹海が広がっていたでしょうが、それはまたいつか。

山頂で集合写真

Mさんと

ゆっくりで大丈夫
 さあ、苦手とする下りです。山頂ヒュッテから蓼科山荘までで早くも遅れをとって最後尾の人の影も見えなくなっています。ここでもケンさんが後についてくれて心強い。「道は一本道ですからマイペースで歩いて下さい、ゆっくりで大丈夫です」く〜っ、ありがたいそのことば! さらに頼もしい山女Mさんも「私もこのペースがいいわ」と一緒に歩いてくれて、なおさら勇気付けられます。かなりのところまでゴロゴロの石が積み重なって沢のような道を下っていきます。しばらく下ると道はやっと少し平坦になって周りのシラビソやナナカマド、シラカバなどの樹林の中の道に出ました。辺りは樹林と笹原の明るい道です。それでもまだ、道が笹で覆われ、見えないところに石や水溜りや木の根があり、気が抜けません。ふと前を見ると先頭を行っていたリーダーが心配して待っていてくれました。その少し先の草原の広場になっているような所では先に着いた一行が既にお昼を食べていました。なんとかみんなと一緒にお弁当を食べることができ、元気回復!

下りです。岩につかまって・・・ 将軍平まで下りてきました。 分岐で昼食です♪

紅葉の中の道 
 この道を真っ直ぐ進めばきょう歩き始めた大河原ヒュッテへ続きます。今回は直進せず右に曲がり、亀甲池〜双子池を目指します。亀甲池までは少し登ればあとは割合平坦な道で回りの紅葉の木々を眺めながらのトレッキングです。亀甲池はこの時期は水量が少なく、池の端は砂地が現れていてそこまで降りて周りの木々の紅葉を楽しむことができました。双子池までの道は苔むした鬱蒼とした樹林の中。だんだん疲れてきて、ちょっとした登りでも自主休憩・・・ 
 双子池につく頃から濃いガスが立ちこめてきて、池のまわりの紅葉はほとんど見ることができませんでした。

亀甲池に向かう草原の中の道

平坦な道になって鼻歌も出ます? 道沿いの紅葉も見事 亀甲池から双子池までの道

亀甲池に到着。 紅葉を愛でる

双子池は霧の中。幻想的な光景です

最後がこたえる!!
 双子池からは大河原峠まで最後の登りです。この最後の登りがきつかった。以前に逆からこの道を下ったことがあり、そのときはそれほどとは思わなかったのですが蓼科山を登った後だったこともあり、喘ぎながら双子山まで登り、痛み出した膝を引きずるようにやっとのことで大河原峠まで戻りました。予定を大幅に超え、1時50分到着予定が3時15分でした。
 念願だった蓼科山はなだらかな形とはうらはらに岩がゴロゴロでなかなか手ごわい山でしたが、「歩こう会」の仲間たちに励まされてなんとか登ることが出来ました。
 
深い樹海とゴロゴロの岩の山頂、静かに佇む池、池面を流れる霧・・・、これからは眺めるたびに蓼科山の頂上とまわりの情景を思い浮かべることと思います

双子池からの登り 双子山到着 ゴール!

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