菜の花畑の笑顔と銃弾

昨年の9月1日にアフガニスタンで蒔かれた種という日記を書いていました。
そのとき載せた新聞の写真はアフガニスタンで亡くなった伊藤和也さんが撮ったものです。
きょうのNHKスペシャル「菜の花畑の笑顔と銃弾」はその伊藤和也さんのアフガニスタンでの5年間の活動を追ったものでした。
その間に撮った写真は3000枚。最初は作物の成長の様子が主でしたが、だんだん村の子供たちの写真が増えてきます。どの写真も子供たちの笑顔が輝くばかりに素敵です。

用水路を引き、お茶の栽培に取り組み、サツマイモの植え付けに何回も失敗しながら遂に成功させていました。化学肥料は高価なため、土地を肥沃にするために菜の花を植え、その黄色の菜の花畑で伊藤さんに向けられた少女の笑顔。それが昨年の新聞に載ったものでした。

一緒に畑を作ったアフガニスタンの男性が、みんなこの村の人間はイトーを息子のように思っていた。忘れることはない、と語っています。その男性たちは今度は砂漠化している近くの村に緑を植える指導者となって行きます。イトーに教えてもらったことを今度は自分が教える番だ、と。まず緑の防風林を植え、さつまいもやぶどうを植えていくそうです。

伊藤さんたちペシャワール会の働きで、砂漠のようだった大地に用水路が引かれ、緑に変わっていくのが5年前の写真と比べてはっきりわかりました。

アメリカの攻撃が激しくなり、日本も給油活動でアメリカを支援していることがわかってくると、好意的だったアフガニスタンの人々の気持ちが複雑に変化してきたそうです。その頃から車につけていた日の丸のマークを消したとのこと。事件はそのすぐ後、日課だった用水路を見に行く途中だったそうです。

武力で伊藤さんの志は絶たれたけれど、その志は確かに引き継がれ芽を出し育っていると思いました。
伊藤さんの写真展がいくつかの都市で開かれているそうです。機会があったら見に行きたい。

●再放送あります→http://www.nhk.or.jp/special/rerun/index.html

菜の花畑の笑顔と銃弾” に対して1件のコメントがあります。

  1. 座長 より:

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     宮沢賢治の書いた『けんじゅう公園林』という話を思い出しました。村の人に「そんな使い物にならない木を植えるなんて」と罵倒されながらもけんじゅうが植えた木は何十年も経ってそこを訪れたその当時の人が立派に林になったけんじゅうの森を見て、心を打たれるという話でした。引き継がれた木々の林や森が菜の花畑や茶畑にダブッて見えました。心に繋がる者は必ず繋がっていくと強く思いました。 Like

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