風の通り路
2001.12.25 24号
紅葉狩り転じて雪見ハイク 晩秋の入笠山

 11月3日 朝、起きたらあまりにもいい天気! 「信玄棒道ハイクを変更して入笠山へ行こう! きっと眺めも素晴らしいはず!」と急遽予定を変更して、入笠山をめざしました。

入笠山は小淵沢の隣りの長野県富士見町にあり、その麓は富士見パノラマスキー場になっています。舗装林道が山頂直下まで続いていて、車でもスキー場のゴンドラリフトでも比較的簡単に行くことができます。

中央高速道に沿って八ヶ岳の裾野を富士見町へ向かいます。右手に八ヶ岳、左手に南アルプスを見ながら車を走らせます。山々はもうカラマツの黄葉が盛りで、今日の山行の素晴らしさを約束しているようでした。黄葉の素晴らしさに見とれて行き過ぎてしまい、国道20号へ出てすこし戻り、富士見パノラマスキー場の看板のある交差点を右折、スキー場脇の林道をどんどん登って行きます。この林道は入笠山山頂の直下まで続いていて、そこから長谷村、高遠町へ通じています。山頂付近にくると標高が2000m近くになり、熊笹が茂ったカラマツ林の中にところどころ、ナナカマドやダケカンバの赤や黄が色を添えていて、標高の高さを感じさせる風景です。

樹林がとぎれた所はどこまでも続く広い斜面が広がっていて、その向こうに南アルプスの甲斐駒ケ岳や、もうすっかり真っ白に輝いている北岳、八ヶ岳が北から南まで一望でき、それを車の窓から眺めるだけでも、今日ここに来てよかったと思わせてくれました。

あれっ雪じゃないの?
 「あれっ! 雪じゃないの」車の中から大きな声が上がりました。

なんと、カラマツ林の日陰のところにうっすらと白く雪が積もっています。よく見るとカラマツの林の枝々にも雪が積もっているではありませんか。あたりはカラマツやダケカンバの華やかな紅葉とその上に降り積もった白い雪、蒼く澄み渡った空の素晴らしい光景です。

ほどなく入笠山直下のマナスル山荘の向かいの小さな駐車場に着きました。ここから30分足らずで入笠山山頂です。

登山道は岩と岩の間にすこし雪が残っていましたが、道そのものはちょっと湿っている程度で歩くのにはほとんど支障はありません。それでも道の両側の木々は雪が残ってうっすらと白く化粧していて、思いがけない光景にワクワクしながら登ります。


360度のパノラマ 富士から南北アルプスまで
30分ほど登ると樹林がきれて山頂に着きました。入笠山山頂一帯は木々がなく、とても見晴らしのよいところで、この日は360度のパノラマが私たちを迎えてくれました。南側は白く輝く甲斐駒ケ岳・北岳が間近にせまり、左に目を転じると、八ヶ岳が南の編笠から北の横岳・蓼科山、さらに車山、雲のかなたに北アルプスがうっすらとかすんで見えました。南北に長く横たわる八ヶ岳は、主峰の赤岳から北側は稜線一帯が白く雪化粧し、南側はまだ紅葉した姿を見せていて、南と北で気象の差が大きいことを示していました。

豪華なランチ
 見晴らしの良いぶん、山頂は風が強く、少し下ったくぼ地でお昼にしました。エビフライ、卵焼き、キノコの炒め物等々をおかずにした風路特製のり弁当です。山頂からずーっと続くカラマツ林の黄葉、そのはるかかなたに横たわる八ヶ岳という光景もおかずにしちゃうのですからこんな豪華なランチはありません!

360度の大パノラマを堪能して、きた道を下り、帰路につきました。

入笠山は、直下まで林道が開けているので、しっかり歩きたい人にはちょっと物足りないかもしれません。でも雪のある冬にはスキー場のゴンドラリフトを利用すれば、かなり楽しいスノーハイクのフィールドが広がっています。山頂直下のマナスル山荘にはクロスカントリースキーのレンタルもあるので、便利です。

春は新緑、春〜夏は入笠山湿原や大阿原湿原一帯のスズラン群生、クリン草、フウロ草、マツムシ草などがいっぱいあって目を楽しませてくれます。

今回は紅葉狩りならぬ思わぬ雪見ハイクになってしまった入笠山ハイクの報告でした。

入笠山MAP

次は美しの森クロスカントリースキー