葦牙-あしかび-

記録映画「いのちの作法」のスタッフの多くが係わった「葦牙-あしかび-」という映画の試写会が中野で開催されました。「いのちの作法」にも出てくる養護施設「みちのくみどり学園」を撮ったもので、副題は「こどもが拓く未来」です。
「みちのくみどり学園」はもともとは病気の子供たちのための施設だったそうですが、今は7割は虐待に合った子供たちだそうです。

こういう施設に入れる「幸運な」こどもたちは4万人位で、その何倍もの子供たちが見過ごされ、命を落とす子供は3日に1人、とのことです。

5歳、10歳の子供たちが背負ってきた体験は、60余年の自分の人生より重いかもしれない、それにどう向き合うか・・・というようなことを小池監督さんが始めの挨拶でおっしゃっていましたが、まさしく、見ている自分にも突きつけられるものだと思いました。

子供たちは元気で、賑やか。けんかしたり甘えたり・・・とパワーが溢れ、映画の印象は決して暗いものではありません。
それでもお父さんからの電話に、もうすぐ退園できる?と何度も何度も確認する幼い女の子や、「将来お母さんを探す」と話す女生徒の思いなどをカメラは淡々と写しだします。

この学園もすごいです。「いのちの作法」にも通じる人間力というようなものを感じました。
少人数の子供たちを沢内に連れていき、民家で共同生活体験するところはまさしく「いのちの作法」の中の場面を思い出しました。
中学生の弁論大会の原稿を考えるときは職員が1対1で子供たちと共に格闘しています。大会で子供たちが自分のことばで表現する様子を見ていると救われる気持ちになりました。

この「葦牙」を山梨県で上映するという動きもあるようです。もし実現しそうならぜひ応援していきたいです。
東京では11月21日からポレポレ東中野で上映が決まっています。

葦牙とは葦の若芽のこと。「水辺の葦が芽吹き、水面にその尖った新芽が顔を出す。その尖った新芽を牙に見立てたもの」だそうです。

会場で初めてプロデューサーの都鳥兄弟にお会いしましたが、初めてという気がしませんでした。監督さん、森さんにもお会いでき、ちょっと同窓会みたいな気分になりました。

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