あたらしい憲法のはなし
童話屋から出版されている本です。値段は300円。
1947年の中学1年生の社会科の教科書だったそうです。
当時文部省から発行されました。
「・・・ぼくたちに高い志があれば、地球は悠久のいのちの星として、青く輝きつづけるだろう」と表紙に書いてあります。
そのなかの1部「戦争放棄」
みなさんの中には、今度の戦争に、おとうさんやにいさんを送りだされた人も多いでしょう。
ごぶじにおかえりになったでしょうか。それともとうとうおかえりにならなかったでしょうか。
また、くうしゅうで、家やうちの人を、なくされた人も多いでしょう。
いまやっと戦争はおわりました。
二度とこんなおそろしい、かなしい思いをしたくないと思いませんか。
こんな戦争をして、日本の国はどんな利益があったでしょうか。何もありません。
ただ、おそろしい、かなしいことが、たくさんおこっただけではありませんか。
戦争は人間をほろぼすことです。世の中のよいものをこわすことです。
だから、こんどの戦争をしかけた国には、大きな責任があるといわなければなりません。
このまえの世界戦争のあとでも、もう戦争は二度とやるまいと、
多くの国々ではいろいろ考えましたが、またこんな大戦争をおこしてしまったのは、
まことに残念なことではありませんか。
そこでこんどの憲法では、日本の国が、けっして二度と戦争をしないように、
二つのことをきめました。
その一つは、兵隊も軍艦も飛行機も、およそ戦争をするためのものは、
いっさいもたないということです。
これからさき日本には、陸軍も海軍も空軍もないのです。
これを戦力の放棄といいます。
「放棄」とは、「すててしまう」ということです。
しかしみなさんは、けっして心ぼそく思うことはありません。
日本は正しいことを、ほかの国よりさきに行ったのです。
世の中に、正しいことぐらい強いものはありません。
もう一つは、よその国と争いごとがおこったとき、けっして戦争によって、相手をまかして、
じぶんのいいぶんをとおそうとしないということをきめたのです。
おだやかにそうだんをして、きまりをつけようというのです。
なぜならば、いくさをしかけることは、けっきょく、
じぶんの国をほろぼすようなはめになるからです。
また、戦争とまでゆかずとも、国の力で、相手をおどすようなことは、
いっさいしないことにきめたのです。
これを戦争の放棄というのです。
そうしてよその国となかよくして、世界中の国が、よい友だちになってくれるようにすれば、
日本の国は、さかえてゆけるのです。
みなさん、あのおそろしい戦争が、二度と起こらないように、
また戦争を二度とおこさないようにいたしましょう。
憲法九条ができたのは奇跡のようだと、爆笑問題の太田光さんが「憲法九条を世界遺産に」という本で言っているそうです。
こんな憲法を持っている国に生きていること、けっこううれしい。
私たちがしなくてはいけないことは、これを変えることではなく育てることではないのかな~・・・
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今の若い人たちは知らないんでしょうねぇ。
こういう事をちゃんと伝えられていなければ、いつか来た道へ戻ってしまいそうなのに気付くことは出来ませんよね。 Like
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小学校一年の時でした。両親と離れて疎開した経験があります。
孫に話して聞かせましたら僕より小さいのにばあちゃん可哀相だね、と心配気でした。こういう子供達の為にも絶対に戦争はあってはなりません。 Like
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くまぱぱさん、コメントありがとうございます。
今なんだか心配で・・・
変えられる前に本当に変えてしまっていいのか、考えてみたいと思います。この文が文部省の教科書に載っていた、というのがすごいです。 Like
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文ちゃん、コメントありがとうございます。
この「志」を60年や70年で、今の私たちの時代に捨ててしまっていいのか、と思います。
こどもたちに温かな笑いにつつまれたような世界を手渡したいです。
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